wish-pray-cometrue
あの夜の彼の言葉を、頭のなかで何度も思い返していた。
今日は12月25日。
そう―X'masであり、私の誕生日であり、…あの約束の日だった。
正直迷っていた。
また会いたいと思う自分もいるが
もし冗談だったら…と考える自分もいる。
そんな迷いを抱えながら、残った仕事をこなしていた。
予想外に量が多く、全て終えた頃には既に20時を回ってしまっていた。
約束の時間を1時間以上も超えてしまった。
もういるはずない…
そう思いながら帰路につこうと会社を出た瞬間、いるはずのない人が目に入った。
会社の前の階段に腰掛け
カーキのコートを羽織った
私服姿の彼。
祥陽だった。