wish-pray-cometrue

母が亡くなったあの日から

泣いたことなんて一度もなかった。

あの時涙を枯らしてしまったんだと思うくらい、泣くことはなかった。

なのになんで今…?

そう考えつつも、人前で泣いてしまったことに恥ずかしさを感じ、急いで涙を拭った。

そしてバックから財布を取り出し、万札を1枚置いてお店を出ようとした。

すると後ろから

「12月25日PM7:00!絶対ここに来て!俺待ってるから!来るまで待ってるから!!」

扉が閉まる瞬間聞こえた彼の声。

私は少しの間立ち尽くしていた。


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