wish-pray-cometrue

状況が理解できない私はボーッと彼を眺めていた。

すると彼が顔をあげ、視線が重なった。

その瞬間、彼はホッとしたような満面の笑みを浮かべ、こちらに走り寄ってきた。

「雪華さん!良かった!会えなかったらどうしようかと思っちゃいました。」

そう軽い口調で話す彼に、やっと出た言葉は疑問しかなかった。

「なんでここにいるの?っていうか何時から待ってたのよ!私行かないつもりで…っ!どうしてこんなことするの?この間あったばかりなのに、からかって遊んでるのっ?」

驚きと焦りで、一気に言葉をつむいだ私を暖かい温もりが包んだ。

「落ち着いて聞いて…?いきなり来てゴメンね。会社はマスターから聞き出したんだ。勝手なことしてゴメン。俺さ、結構前から雪華さんのこと知ってたんだ。最初はただ、1人でくる女性もいるんだなっていう好奇心だった。でもいつも見てるうちに、雪華さんの寂しそうな表情が気になってさ…知りたくなった。なぜかわかんないけど、一緒にいたいと思った。…喋ったこともないのにバカだって言われるかもしれないけど、からかってなんかないよ。この間喋ってみて確信した。

俺…雪華さんが好きだよ。」

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