好きの気持ち【短編】
「じゃあまたな」
「うん。またね」
『また』。
そんな日は来るのだろうか。
お互い背を向けて歩き出す。
優しい笑顔。
あの女の子より私の方がずっと前から涼を知っていた。
でもあんな笑顔しらない。
私よりあの子の方が私の知らない涼を知っている。
それがわかっただけでも認められるかな。
右足を軸にしてクルリと振り返った。
「涼っ」
私の声に2人が一緒に振り返る。
「幸せになんなよ。ばーか」
その言葉に少年が昔の笑顔で笑った。
「お前も幸せつかめよブース」
『バカ』
『ブス』
よく言い合っていた。
ケンカばっかでいつも意地の張り合いばっかしてたよね。
また、そんな言い合いが出来ることが単純に嬉しい。