プラチナの誘惑
「日曜、何時にする?」

コーヒーを飲み干す昴の言葉を聞きながら、日曜…日曜…?

はっと気づく…。

「日曜はだめなんだ…。
用事があるから…」

忘れてた。
というか、忘れたくて考えないようにしていたんだけど。

はぁ…。

クールに気持ちを閉じ込めて、乗り越えようとしているけれど…。

やっぱり嫌だ…。

「じゃ、土曜は?
朝から出かけてホテルに持ち込んで、なんか食べに行くか?」

「え?いいの?
他に約束とかないの?」

「別に…毎週予定入れてる訳じゃない」

涼しい顔して言うけど。

「女の子からの誘いは多いくせに」

「…否定はしない。
俺って人気者だから」

くくっと笑う顔には謙遜なんて言葉はなくて、それは本当にそうなんだからと納得してしまう。

「で、彩香は日曜デートなわけ?」
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