ラブリーホーム*先生の青③




あの時はオレが全部悪かった



イチの気持ちに甘えて
たくさん傷つけた



イチとちゃんと
付き合えないから
離れるのは
仕方ないと考えたけど



学校にいる時は
とにかくイチを探したし



廊下ですれ違う時は
いつだって
その手を掴みたくなった



もう一度
やり直せないかな



その言葉が胸に
何度も浮かんでは
病室のフミを見るたび
消えた



イチのこと想いながら
毎晩過ごすうち



一度だけ



一度だけ
今では顔も思い出せない
知らない女と
ホテルに行ったことがある




あれは先生たちと忘年会をした帰りだった気がする



雪が降ってた



すっかり酔って
熱い頬に
降る雪が冷たくて



夜空の下
街灯に照らされて
オレンジに染まる道を
トロトロ歩いてたら



目の前で女が転んだんだ



大丈夫ですか?



そう声をかけ
女のひじの辺りを掴み
起こしてやると
ちょうど



背の高さがイチと同じだった



髪の長さも同じ
体型も



女の方も飲み会帰りだったのか
オレ以上に酔ってた



寂しかったんだ
ものすごく



だから
名前も知らない
その女を誘った




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