先生のビー玉
とりあえず風呂に入った。
気持ちがリフレッシュできると思ったからだ。

が…

できるわけはない。
部屋に戻り、携帯とにらめっこをしていると、パッとディスプレイに表示される名前…

「…もしもし」

「はぁ…やっと出た」

「ごめんなさい、学校だったからずっとバイブにしてたから」

「そうだよな…いや、気にしないで。
佳奈の声が聞けたからちょっと安心した」

「うん」

しばしの沈黙が続く。

「…大丈夫か?」

「…うん」

「なにか…あったんじゃないのか?」

「…」

「佳奈?」

「…」

「何も言わないんだったら今から行くぞ」

「…来て…ほしい…かな?」

「わかった。近くに来たらメールする」

「…うん」

それからどのくらいが経っただろうか…10分?
いや、5分くらいだったに違いない。

メールが鳴った。

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