破れぬ誓い
「仕方ねぇよ。」
ボソリと土方さんが呟いた。
「仕方ねぇ。誰でも人を始めて殺すときは躊躇うもんだ。」
大して感情も込めず土方さんは話す。
「今、お前吐き気がするほど苦しいだろ。」
「え。」
「わかんだよ。」
あの土方さんがアタシの気持ちをわかる?
驚いた。
「誰だって人を殺すことなんて慣れてるわけねぇだろ。まぁ、総司は知らんがな。」
ずっと前を向いている土方さん。
下を見るわけでもなく上を見るわけでもない。
ただずっと真っ直ぐ前を見てその先に土方さんだけが見られるものがあるようだった。