破れぬ誓い
「俺ぁ、鬼の副長だのなんだの言われて今まで生きてる。もちろん人を殺して。」
「……はい。」
「だがな、新撰組の隊士になった以上それぁ仕方ねぇんだ。上の命令とあれば俺たちはどんな奴らだと斬らなきゃならねぇ。」
どうしてだろう。
土方さんの口角がゆがんだ気がした。
「じゃぁ、俺たちはどうしたらいい。仲間を粛清して、浪士どもを斬って。」
「…わかりません。」
「忘れねぇことだよ。そいつらが生きてたこと。そいつらを殺したことを忘れねぇことだ。」
そんなの苦しいだけですよ。
アタシには、できない。
「自分にはできねぇとか思ったろ。」
急に土方さんがアタシの気持ちを当てたことに驚いた。
「図星か。」
クックックと笑う土方さん。