虹の世界
「あのさ……怒ってんだかなんなんだか知んないけど、黙ってたのは謝る。ごめん。でもさ、無視はどうなんだろ。」


人通りの無くなった公園間近の道。

初めて、彼女の足が止まった。


「俺は、自分の仕事に誇りを持ってる。否定されるようなことはしてない。」


黙ってたくせに……。


「俺に逢いたくないならそれで良い。口もききたくないなら黙ってて良いよ。」


俺は、それで良いのか?


「散歩、俺、コース変えるから。」


明日、別の道へ?


「じゃあ。俺、帰るよ。気を付けてね。」


それでも返らない返事。

イライラが俺の中でギリギリまできていた。

少し速足で、背を向ける彼女を追い越し、振り向いた。



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