神様の悪戯


壇上までもう少しのトコで自分以外の存在に気付いたみたい。


さっきの表情をしまって、いかにも先生。みたいな顔してこっちを振り向いた。


「何年だ…?生徒はみんな帰ったはずだが?早く帰りなさい」


さっきの顔が別人みたい。
感情の読み取れない、むしろ無表情って言葉がぴったり。

ピアノから手を離し、彼はそう言って背を向けた。



なんなのよ!!
いきなり、失礼極まりないじゃん。
用事があったから来たのに…、しかも何年て…、入学式で紹介されたの聞いてなかったのワケ??
もぅ、本当に最悪。



「……っ!!お言葉ですが、」

あまりの態度に、一気に体温が上がる。
言ってる事は最もかもしれないけど、もう少し違う言い方があるんじゃないかと思った。

けど、喉まで出掛かった言葉を飲み込む。


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