ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
ガチャン。
沈黙を破り、重い音を響かせて火葬炉の扉が開かれる。
ムゥっと立ち上がる熱気が頬を叩いた。
独特の、何とも言えない臭気が辺り一面に広がる。
茜は息をするのも忘れて、出てきた台車の上を見詰めていた。
白い骨になった母。
人間は骨になると、こんなにも小さくなってしまうものなのか。
細い、あまりにも小さな骨。
銀色の専用のとり皿に移された骨を、従業員に指示されるまま、二人づつ大きい骨から箸で掴み骨壷の中に収めていく。
まず喪主の夫である衛と、娘の茜の手で。
カラン、カラン。
静かな室内に、骨壺に骨を入れていくその悲しい音だけが鳴り響いた。