ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
「私のものになりなさい。そして、その石共々、私の ”力”となるのです」
青白い淡い闇の中
上総は、そう言って嗤った――。
「な…にを、言ってるの……?」
座り込んで敬悟を胸に抱えたまま、茜は信じられない思いで上総のその言葉を聞いていた。
――この男は、何を言ってるの?
意味が分からない。
「いささか、この現状にも飽きたのでね」
と、何処か自嘲気味に嗤う。
「私は、故郷の星に帰れようと帰れまいと、そんなことはどうでも良いんですよ。鬼部の一族が滅ぼうが、どうなろうが知った事ではありません」
――所詮、己はどちらの星にも属さないコウモリのようなモノだ。何処に行こうと、『異端のモノ』で在ることには変わりがない。
ならば、いっそ――。
「この世を支配してみるのも、一興かと思いましてね」
ニヤリ、とその赤い口の端がつり上がる。
『支配』という言葉に、茜は、息を呑んだ。
エイリアンのテクノロジーと、人間よりも遙かに強靱な体。そして、計り知れない超能力。
例え『守りの石』や自分の力が加わらなくても、もしも上総がその気になれば人間を支配するのは可能なのではないか?
上総の本性は『あの赤鬼』だ。
過去の鬼隠れの里に飛ばされたときに見た赤鬼は、何の迷いもなく茜の父・衛を殺そうとした。
仲間である筈の玄鬼ですら、倒すのに躊躇いなど微塵も見せなかった。
それが支配する世界――。
恐怖だけが支配する、世界――。
背筋に冷たいものが走り抜ける。
「頭、おかしいんじゃないの? 私が思い通りになるとでも思ってるの?」
「思ってますよ」