空中ブランコ





「・・・驚いたがや、化け物でも死に行く者には優しくするんだなぁ。
・・・失う辛さがわかるか?」




 刺さる口調





「それはお互い様でしょう?貴方達だって、バンパイアを殺してる。
バンパイアには、身内や恋人がいないとでも思ってるんですか?」





 音もなく立ち上がり
ソーラが遠回しに“人間を餌にするな”と言おうとしていた事に、静かに反論する





「ロシード。
フェルドを屋敷に連れて帰ります。
ロシーム、その手伝いをしなさい。」


「「 はい 」」




 ロシームが風を操ることで、灰になったフェルドを集めて宙に浮かせる



 未だ虚ろなロシードはそれをシールドで包み、そっと暖かい懐にしまった



「……………。」



 フェルドがいる辺りに手をあて、グッと力が籠もる




 その一連の動きを、見ていたシルディ




「(まるで氷の仮面・・・・)」



 素顔を暈(ぼか)し、表情を浮かび上がらせることはない“溶けない仮面”




「(……きっと彼の体全体には、その冷たさはとっくのとうに染み込んでるんだ・・・・・)」







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