空中ブランコ


 休戦となるきっかけ、それはキャリアがトランプに堕ちたことから始まる







「……っ」



 目の前で自身のトランプが生み出した球体に、下半身を飲み込まれていくキャリア




「くそっ!!!!沈むなキャリア!!!!沈むな!!!!!」




 悲痛な声だけが響きわたる




「クジル……手が…」



 相応する力に飲み込まれるキャリアの身体を、引っ張り出そうとするクジルの腕はただれている




「沈むなっ!!!!頼む……これ以上沈まないでくれ……!」


「クジル……。もう無理よ。
私はこのままトランプに飲み込まれる。」




 それでも身体を抱き締めて離さないクジルの腕




「(この腕に何回抱き締められたか……)」




スブズブ………




「くそっ、…なぜ!!!!!!・・・・・・・・!!」



 取り乱す彼の頬に手を添えると、時間が止まる…







「私が望んだことよ。
予期はあったの……。それでもトランプに飲み込まれない為に、あなたとの気持ちを切るなんて私には無理。」


「生きてるのと死んでるのでは違う!!!」


「………そうね。
でも会える距離にいて、会えないなんて生き地獄…私には耐えられない。それに………私にあなたは殺せない。」


「!!!
………まさか、僕を殺すよう命が下ったのかい?」




 抱き締めてる腕が緩む



「…………」



 優しく笑みを浮かべるキャリアに、もう何をしようと全てが無駄だと悟った




「僕がいたから……………僕を置いて逝くのか?」


「違う。私があなたを愛してるから。離れても一緒に生きていく道を選ばなかった。あなたを殺す役目の道にいたくなかった。すべて私の我が儘なのよ………。許してとは言わない。ただ、分かってほしい…」


「(分かってほしい…か。難しいことを…)」








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