満ち足りない月
セシルはびくっと体を一瞬震わせた。
その声は単に幼い少女が出した低い声なだけだが、妙に凄みが効いていて、何故か一瞬戦慄を覚えた。
――この"子"、ただ者じゃないわ。
それはセシルが僅か数週間だが、人間ではない者の存在をこの目にした経験から感じた事だった。
尚もこちらを見つめてくる少女にセシルは「ええ」と少し上擦った声で言った。
少女はふっと小さく笑うと視線を逸らした。
「なるほどな。確かに似ている」
「え……?」
確か前にも同じような事をリュエフも言っていた。
一体私が誰に似ているというの?