君に染まる(前編)


大きなため息をつき頭をかいた先輩。



「けど…
全員見つけ出してちゃんと言っとくから。
そうすればいじめは無くなるだろ?」



…なんで?



「そうだな、今日か明日には話が…」



「…なんでですか?」



「あ?」



「なんであたしの為にそこまで…」



「なんでって…お前、俺の女だろ?」



「…え?」



「自分の女助けるのに
理由なんかいるかよ」



バーカ、と笑う先輩。



「だ、だから…
あたし先輩の彼女になったつもりは…」



「まだそんなこと言ってんのか。
だったら今この瞬間俺の女になれ」



「無理です…」



「なんで」



「す…好きじゃ…ないからです…」



「じゃあ好きになれよ」



「は?え…」



「俺を好きになれ」


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