タレントアビリティ
「……っ……は、かはっ、げほぉッ!!」
「誰よ……!」
「とりあえず落ち着け能恵さん! 俺だよ! 添!」
「ああ……。とりあえずどきなさい、添。あいつは殺すわ、間違いなく殺すわよ」
「何があったってんだよ!」
「……がほっ! げふ、っ……! っおげえっ……!」
「いいから離しなさい!」
「離さない!」
壁に能恵の両肩を押し付けてはいるものの、その細い身体のどこからか溢れる力に弾かれそうになってしまう。懸命に押さえる添の背後では、必死で呼吸を整える少年がいる。
ちらりと振り返った。やっぱりあいつが、そこにいた。
「睦貴走馬……」
「げ、ふっ……。マジで殺されるかと思った……」
「離せってのそええっ!!」
「とりあえず何があったか話してくださいよ能恵さん!!」
必死の形相の能恵を押さえ込む。怖い。正直、怖い。いつものほわほわした能恵は、ここにはいない。怖い。恐い。
「あー、兄ちゃん兄ちゃん」
「あん?」
「ボクは何も悪くないから。勝手に暴れ出したのはそこのねーちゃんだから」
「……そうなんですか?」
首に手形をつけた走馬が座り込み、半分涙目で能恵を指差しながら言う。能恵のほうを見ながら添はそれを確認。首が小さく揺れた。縦にだった。
「誰よ……!」
「とりあえず落ち着け能恵さん! 俺だよ! 添!」
「ああ……。とりあえずどきなさい、添。あいつは殺すわ、間違いなく殺すわよ」
「何があったってんだよ!」
「……がほっ! げふ、っ……! っおげえっ……!」
「いいから離しなさい!」
「離さない!」
壁に能恵の両肩を押し付けてはいるものの、その細い身体のどこからか溢れる力に弾かれそうになってしまう。懸命に押さえる添の背後では、必死で呼吸を整える少年がいる。
ちらりと振り返った。やっぱりあいつが、そこにいた。
「睦貴走馬……」
「げ、ふっ……。マジで殺されるかと思った……」
「離せってのそええっ!!」
「とりあえず何があったか話してくださいよ能恵さん!!」
必死の形相の能恵を押さえ込む。怖い。正直、怖い。いつものほわほわした能恵は、ここにはいない。怖い。恐い。
「あー、兄ちゃん兄ちゃん」
「あん?」
「ボクは何も悪くないから。勝手に暴れ出したのはそこのねーちゃんだから」
「……そうなんですか?」
首に手形をつけた走馬が座り込み、半分涙目で能恵を指差しながら言う。能恵のほうを見ながら添はそれを確認。首が小さく揺れた。縦にだった。