タレントアビリティ
「ど、どうして、それ……」
「別に。ってかどしたの、風音さん」
「あ、ああ、あな、あなた……、いったい……」
「そんなに動揺する?」
「だって、誰にも……」
「拍律、風音」
名前を呼ばれただけで、風音の肩がびくう! と震えた。ここまで効果てきめんだなんて、さすがは才能の塊が言うだけはある。
---いい、そえ? 交渉の基本は揺さ振り。相手の名前をちょくちょく呼べば、心は開いていくんだよ?
とりあえず感謝。才能が無い自分でもここまで効果があるものか。添はそう思い、ゆっくりとゆったりと立ち上がる。
「風音さんが音楽に自信が持てない理由を、俺は知ってる」
「え、え、え?」
「……何を抱えてるの、風音さん?」
「べ、べべべべべ別にそんな何も……」
「昨日の夜何があったか知らないけど」
カツン、とコンクリートを鳴らして進めば、怯えと恐怖に風音の顔が揺れる。「何もしないよ」ととりあえず安心させておいて、またゆっくりと言った。
「お父さんもお母さんも厳しいから、ここで?」
「……あなたは」
「ん?」
「あなたはいったい、何なんですか……!」
「……何って言われてもねぇ、よく分からない。ただ1つだけ言えるとしたら、俺には才能が、無いんだ」
「別に。ってかどしたの、風音さん」
「あ、ああ、あな、あなた……、いったい……」
「そんなに動揺する?」
「だって、誰にも……」
「拍律、風音」
名前を呼ばれただけで、風音の肩がびくう! と震えた。ここまで効果てきめんだなんて、さすがは才能の塊が言うだけはある。
---いい、そえ? 交渉の基本は揺さ振り。相手の名前をちょくちょく呼べば、心は開いていくんだよ?
とりあえず感謝。才能が無い自分でもここまで効果があるものか。添はそう思い、ゆっくりとゆったりと立ち上がる。
「風音さんが音楽に自信が持てない理由を、俺は知ってる」
「え、え、え?」
「……何を抱えてるの、風音さん?」
「べ、べべべべべ別にそんな何も……」
「昨日の夜何があったか知らないけど」
カツン、とコンクリートを鳴らして進めば、怯えと恐怖に風音の顔が揺れる。「何もしないよ」ととりあえず安心させておいて、またゆっくりと言った。
「お父さんもお母さんも厳しいから、ここで?」
「……あなたは」
「ん?」
「あなたはいったい、何なんですか……!」
「……何って言われてもねぇ、よく分からない。ただ1つだけ言えるとしたら、俺には才能が、無いんだ」