タレントアビリティ
「私の中では音楽が全てなんですよ! お父様とかお母様とかからどんな風に思われるとか、コンペの結果がどうだからとか、そんなこと! そんなこと、私には関係無いんですよ!」
「……ん」
「だいたいあなたに、私の何が分かるって言うんですか!? 勝手に見知ったように好き勝手並べ立てて! 私をどうするつもりですか!? それとも、私が……! 私が気にくわないとか、そういう事なんですか!?」
「ホンットにさぁ……」
「何が歌姫! 何が拍律響の娘! 何が……、何が才能! 私は好きで音楽をやってて、なのにどうして……!」
足元の校舎から何と無く騒がしい声が聞こえて来た。静かな午後にこんなに叫べば、もちろん誰だって気付くだろう。それでも風音は止まらない。添は動かない。
「こんな才能、私はいらなかった! それか拍律の家なんかに、私は生まれたくなかった! どっちも、どっちも揃ったから……」
「そういう、わけ、か」
「……何なんですか、本当にあなたは」
「俺はあんたを見てたらさ、風音さん。何か自分を見てるようなそんな気分がして、不快感半端なかったよホントにさ……。なるほどね、そういうわけ、か」
ゆっくりとした動作で、添は風音から離れていく。どくん、どくんと重なる心音に不快感を伴いながら、しかし意識的に笑みを浮かべて、そして言ってやった。
「……ん」
「だいたいあなたに、私の何が分かるって言うんですか!? 勝手に見知ったように好き勝手並べ立てて! 私をどうするつもりですか!? それとも、私が……! 私が気にくわないとか、そういう事なんですか!?」
「ホンットにさぁ……」
「何が歌姫! 何が拍律響の娘! 何が……、何が才能! 私は好きで音楽をやってて、なのにどうして……!」
足元の校舎から何と無く騒がしい声が聞こえて来た。静かな午後にこんなに叫べば、もちろん誰だって気付くだろう。それでも風音は止まらない。添は動かない。
「こんな才能、私はいらなかった! それか拍律の家なんかに、私は生まれたくなかった! どっちも、どっちも揃ったから……」
「そういう、わけ、か」
「……何なんですか、本当にあなたは」
「俺はあんたを見てたらさ、風音さん。何か自分を見てるようなそんな気分がして、不快感半端なかったよホントにさ……。なるほどね、そういうわけ、か」
ゆっくりとした動作で、添は風音から離れていく。どくん、どくんと重なる心音に不快感を伴いながら、しかし意識的に笑みを浮かべて、そして言ってやった。