タレントアビリティ
「風……音……さんは……欠席……、っと」
机の下でメールを打ちながら授業をぼんやり。英文法なんて正直どうでもいいのだが、現役合格のためには一応頭に入れないといけない。
能恵さんほどの才能があればよかったのになと思う。携帯をサイレントマナーモードにして膝に置いて、くるくるシャープペンを回して黒板を眺める。
「じゃーここー、むなしろー」
「ういっ」
見た目30歳実年齢60歳のありえない教師に当てられて、面倒臭いなと思いながら添は席を立つ。教科書のどうでもいい英文を書き書きしている時に、事務担当の先生が飛び込んで来た。
さてまあどう動くべきか。英語でmusicianと綴ったタイミングだったのが皮肉過ぎた。
「空白さん! ちょっと事務室までお願いします!」
「どういう事です?」
「空白さんのお姉様が!」
「空白ぅ! お前今日は早退ぃ!」
教師にそう怒鳴られてさっさと教室を出ていく添。廊下を走っている途中で携帯を見ると、案の定能恵からメールが来ていた。その内容に溜め息。
「学校襲撃するからよろしく……、だと……」
「空白さん!」
「あー、姉ちゃんが奇特なのはいつもの事ですよ、はあ」
「早くタクシーに!」
学校の正門前にはタクシー。無理矢理乗せられてお札を渡され、行き先を尋ねられると添は狙ったように言った。
「駅前」
「あ、いや、病院じゃ」
「駅前まで」
「お前お前、病院」
「駅前ぇ! 学校が爆破される前に食い止めぇ!」
「イエッサー!」
タクシーが動き出す。車のミラーに写る自分の顔が本気の時の能恵に似ていたのが、どこか何と無く嫌だった。
机の下でメールを打ちながら授業をぼんやり。英文法なんて正直どうでもいいのだが、現役合格のためには一応頭に入れないといけない。
能恵さんほどの才能があればよかったのになと思う。携帯をサイレントマナーモードにして膝に置いて、くるくるシャープペンを回して黒板を眺める。
「じゃーここー、むなしろー」
「ういっ」
見た目30歳実年齢60歳のありえない教師に当てられて、面倒臭いなと思いながら添は席を立つ。教科書のどうでもいい英文を書き書きしている時に、事務担当の先生が飛び込んで来た。
さてまあどう動くべきか。英語でmusicianと綴ったタイミングだったのが皮肉過ぎた。
「空白さん! ちょっと事務室までお願いします!」
「どういう事です?」
「空白さんのお姉様が!」
「空白ぅ! お前今日は早退ぃ!」
教師にそう怒鳴られてさっさと教室を出ていく添。廊下を走っている途中で携帯を見ると、案の定能恵からメールが来ていた。その内容に溜め息。
「学校襲撃するからよろしく……、だと……」
「空白さん!」
「あー、姉ちゃんが奇特なのはいつもの事ですよ、はあ」
「早くタクシーに!」
学校の正門前にはタクシー。無理矢理乗せられてお札を渡され、行き先を尋ねられると添は狙ったように言った。
「駅前」
「あ、いや、病院じゃ」
「駅前まで」
「お前お前、病院」
「駅前ぇ! 学校が爆破される前に食い止めぇ!」
「イエッサー!」
タクシーが動き出す。車のミラーに写る自分の顔が本気の時の能恵に似ていたのが、どこか何と無く嫌だった。