my name
「いや?」
眉を下げ、あたしの顔を覗き込むようにして聞いてきた。
え?あたし嫌って顔に出てた!?
「そ、そそそそんなことないよ!!」
「良かった。自転車で行くでしょ?俺自転車ないから廣瀬さんの漕ぐよ。だから後ろ乗って?」
二人乗りで行くってこと!?
「あ、あたし。重いと思うよ」
「全然!女の子1人くらい余裕だし」
ニヤリッと笑って言われてしまった。
あたしの小さな抵抗はさらりと交された。
「で、でも登り坂の所もあるしっ」
「だから余裕だって(笑)」
これは二人乗りから逃れるのは無理そうです…。
「行ってらっしゃい!」
「行ってきます」
「行ってきます…」
笑顔のママに見送られ家を出た。