【完結】しゅがぁLOVE
……なにゆえ?
口をパクパク動かして、それでも声がでない。
「なに、金魚みたい」
なッ!
「魚類は嫌っ!」
むかっとして、思わず思った言葉。
まさか声に出るとは思わなかったけど。
いきなり怒ったあたしに、礼央はきょとんとした。
そしてすぐに、クスクスと笑い出す。
「あんたズレてるよね」
久しぶりにみたその笑顔に、きゅーっと胸がしまる感覚がした。
けど。
「な、なんで礼央がいるの!?」
そう、それ。
もう真っ暗で、校舎には生徒一人いなかった。
限に下駄箱に残ってる靴は一つもなくて。
普通帰ってる時間。
「……待ってたから」
少し間を開けて、そっぽを見ながら呟く。