秘密の彼氏
学校につくと、もう3時間目の終了間際だった。
「今からプリント取ってきますから、静かにしておいてね?」
最近入ってきた若い先生。
毎回のように忘れ物をしてくる。
…このタイミングは最高だ!!
ガラっ
先生が出ると同時にもう片方の扉から教室に入る。
「あ…憂~!!」
小声であたしを呼ぶのは、小田敦美。
あたしの幼なじみで大親友。
奇跡的に、クラスが離れたことも無い。
もちろん、今回も。
「敦美~!遅れてごめんねー!!」
スグに敦美の隣の席に着く。
「なんで遅れたの?」
「電車!今日いつも乗ってるヤツ、満員でさ…」
「そうなんだ。…憂満員電車ダメだしね?
…あれ。彼氏くんは??」
進と付き合ったその次の日から、あたしと進も同じクラス。
本当は違ったけど、あたしが先生に駄々をこねてお願いしたのだ。