だから、笑え
真新しい墓。
綺麗に手入れされたその場所に俺と日和はそっと膝を折る。
日和は目を細めて、やっぱり切なそうに墓を眺めていた。
「…何にも持ってきてなくてすいません」
墓に向かって力無く笑う日和。
「天咲秋人さんです。一度会った事あるかな」
小さく呟くか細い声。俺は膝を折ったまま頭を下げる。
「…日和は俺が責任持って大事にしますから」
本当、間違いなく。だから、
「安心して下さい」
墓に向かって話かけるなんてキザな事自分がするとは思わなかった。だけど、そんな事どうでもいい。
日和にとって晴哉さんは特別で、大事な人だったから。