この腕の中で君を想う


「5……」



私はギュッと目を瞑ると覚悟したように思い切り手を振り払った



思っていた通り手は簡単に離れ、力無くだらんと垂れた




「……いい」

これで…良いんだ




ポタッ…

髪から滴り落ちる雫が私の手に落ち、ゆっくりと腕を伝っていく


ふと、白山の顔を見るとまだ瞼を閉じたままで

本当に十を数えるまで目を開かないなんて律儀な人だと思い、少し笑ってしまった



「……」



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