六人に届いた手紙
 港に車で迎えに来た信太が優子達を乗せ、今度は空港に向かった。


「また遊びに来るね。今度は陽一と千夏を連れて来るから」


 幸子がそう言うと、信太と一緒に来た翔が、


「さっちゃんまたキテネ。ちぃちゃんに遊ぼうって言ってね」


 と言った。


「優子、本当にありがとう。私すごく救われたよ。これからは前向きに生きていける気がする」


 亜紀は涙ぐみ、優子の目を見て真っ直ぐ言った。
 優子も亜紀の目を見て、うんうんと頷く。


「私がお店出す事が出来たら、優子と信太さんに真っ先に来てもらって、批評して貰わなきゃ」


 恵子がそう言うと信太も私も、


「そんなに立派なもんじゃないよぉ」


 と照れた。

 そして幸子と亜紀と恵子の三人は、搭乗口に入り、優子は見えなくなるまで手を振り続けた。


 友達みんなが帰ってしまうと、何だか静かで急に寂しくなってしまう。

 すると、信太と翔が優子の両方の手を握り、左手には信太、右手には翔が居て、


「帰ろう」


 と飛び切りの笑顔で言った。

 こうして一通の手紙で集まった六人は、それぞれの場所に帰って行った。




< 38 / 38 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

元彼の末路

総文字数/15,161

恋愛(その他)26ページ

表紙を見る
Parting tears ~another story~

総文字数/21,790

恋愛(その他)39ページ

表紙を見る
悪の姑シリーズ

総文字数/10,024

ミステリー・サスペンス17ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop