幸せな結末
理彩さんは何故だか顔を真っ赤にして、それを隠すようにうつむいた。

そんな理彩さんに、東雲さんは彼女の耳元で何かをしゃべった。

小さな声だから、当然内容は聞こえない。

「――ッ、バカ…!」

理彩さんはそう言うと、ますます顔を紅くさせてうつむいてしまった。

何を言ったんだ?

東雲さんは理彩さんにニタリと目で笑いかけると、私たちを見た。

「けど断ったとたん、彼女がお腹を抱えて苦しみ出したんだ。

最初は俺を引き止めるための演技かと思ってたんだけど、異常なくらいに痛がってた。

救急車を呼ぼうかって言ったんだけど、彼女は断るように首を横に振ってた。

仕方ないから家に連れてきて、薬を飲ませて寝かせたって言うのがこれまでの話」

東雲さんは話し終えたと言うように、息を吐いた。
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