幸せな結末
「それで、よく俺が美香の親戚だって言うことがわかりましたね」

それまで何も話さなかった一也さんが言った。

「簡単なことだよ。

彼女の財布から免許証が出てきたんだ。

名前を見たら“若宮”だったから、もしかしてって思って」

淡々と、推理するような口調で東雲さんが言った。

「本当に、申し訳ありません」

一也さんが謝った。

「彼女が若宮の親戚でよかったよ。

もし違っていたら、警察の方に電話をしようかと思ってた」

そう言った東雲さんに、一也さんはやっと顔をあげた。

「今日のところは、本当に申し訳ありませんでした。

明日、彼女を迎えにきます」

そう言った一也さんに、
「いや、今日は泊まっていいよ」

東雲さんが言った。
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