幸せな結末
「元カレ?」

驚いた訳じゃないけど、俺は聞き返した。

「1年半くらい、つきあってたのかな?

友達の紹介で知り合って、つきあい始めたの。

けど彼は女遊びが激しいと言うか、女の子を見るとすぐに口説くと言うか…」

「要するに、浮気グセがあったってこと?」

そう言った俺に、美羽ちゃんは首を縦に振ってうなずいた。

「浮気が発覚するたびに彼は泣きながら謝って、“もうしないから”なんて言ってた。

最初は私も許してたんだけど、発覚するたびに許せなくなって…」

そう言った美羽ちゃんの唇が、震えていた。

震えていたのは、怒りか悲しみのどっちかだろう。

「また浮気が発覚した時、今度は“別れてくれ”って言われた。。

私は何も言えないまま、首を縦に振ってうなずいて…」

美羽ちゃんの目から、また涙がこぼれた。
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