幸せな結末
何か、俺たちって場違いな気がする。

ジューと焼きあがる鉄板焼きを見ながら、俺はそんなことを思った。

「それで、何だけど」

主任が缶ビールをテーブルのうえに置くと、俺たちに視線を向けた。

眼鏡の奥の目はほろ酔い状態だ。

「はい?」

そう聞いた俺に、
「何があったか聞かしてもらおうじゃない」

主任が言った。

「南野課長に大目玉をくらわれた理由を」

それですか。

そう思いながら、俺は隣に座っている美羽ちゃんに視線を向けた。

美羽ちゃんはいいよと言うように、首を縦に振ってうなずいた。

俺はその出来事を彼らに全て話した。

「最低じゃないの!」

話し終えた時、真っ先に声をあげたのは堺ちゃんだった。

「未練がましいのもいいところだな」

呆れたように言うと、課長はふうっと息を吐いた。
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