【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
―――――
―――――――
―――――――――



それからは、先輩に告白するかしないかで悩む日々が始まった。

先輩のことは好き。

でも、先輩がたった1人で始めた部を一緒に守りたい。

2つの気持ちがせめぎ合って、悩みに悩んで、呆れるくらいに悩んで・・・・いつの間にか1ヶ月。


もうすぐ夏休み。

はぁ〜、どーしたらいいんだろ。


「ちぃーちゃん、夏休みの活動はどうする? てか、やっぱ夏は告白の季節なんだねぇ。依頼が増えてめっちゃ嬉しいよーッ!!」


そして今は、例のごとく休み時間に先輩があたしのクラスに来てはしゃいでいる。


「・・・・ちぃーちゃん?」

「はぁぁ〜」

「ちぃーちゃん!」

「はぁぁぁ〜・・・・」


けれど、先輩に呼ばれても正直なんだか気が遠い。

馴れ馴れしいと思っていたあだ名だって、もしかしたらもう呼んでもらえなくなるかもしれない。

ウザいと思っていたおちゃらけっぷりだって、あたしの前では見せてくれなくなるかもしれない。

そう思うと気が遠くなる。
 

< 46 / 73 >

この作品をシェア

pagetop