アリスズ
□
ケイコは──命の光を見ることが出来る。
アディマは、とても強く光っていると、彼女は言っていた。
その光のように、彼女のおなかが光っているというのだ。
ああ。
叔母が、そこにいるというのに。
アディマは、ソファに座るケイコに覆いかぶさるように抱きしめていた。
「ああ…なるほど、それがその娘の魔法とやらか」
これまで、叔母は彼女の魔法について、問い詰めなかったのだろう。
今頃、理解したようだ。
そもそも。
ケイコの魔法は、イデアメリトスとは根本からして違う。
ただ、視るだけの魔法。
自分から、働きかける魔法は持っていないのだ。
それでも。
こんな風に、イデアメリトスでさえ分からないことを、彼女は分かるのだ。
素晴らしい魔法ではないか。
命が。
ケイコの中で、新しい命が息づいている。
胸には喜びと同時に、側においておけない不安と寂寥でいっぱいになった。
「叔母上様…ケイコをよろしくお願いします」
彼女から腕を離し、アディマは叔母を振り返る。
「だから、甘やかすなと…ちゃんと産まれるべき定めを持っているなら産まれるわ」
甥に厳しい彼女は、そんなことを言いはするが──きっと、景子を守ってくれるに違いない。
分かってはいるのだ。
分かってはいるのだが、側についていられない、己の身がもどかしかった。
「時間を作って訪ねていくよ…」
ケイコの方を振り返り、膝立ちになってその手に触れる。
「来なくていい」
後方から、即座に厳しい声が飛ぶ。
「第一妃候補ですから、叔母上様は…ご機嫌伺いに参りますよ」
ケイコの手を取り、ケイコの目を見つめながら、あらぬことを言い放つ。
だが、愛する女性を前に、妃候補などという言葉を使ってしまった事に、アディマは気づいた。
不快になっただろうか。
ケイコを見つめると。
彼女は、おかしそうに目を伏せながら笑ってくれた。
ケイコは──命の光を見ることが出来る。
アディマは、とても強く光っていると、彼女は言っていた。
その光のように、彼女のおなかが光っているというのだ。
ああ。
叔母が、そこにいるというのに。
アディマは、ソファに座るケイコに覆いかぶさるように抱きしめていた。
「ああ…なるほど、それがその娘の魔法とやらか」
これまで、叔母は彼女の魔法について、問い詰めなかったのだろう。
今頃、理解したようだ。
そもそも。
ケイコの魔法は、イデアメリトスとは根本からして違う。
ただ、視るだけの魔法。
自分から、働きかける魔法は持っていないのだ。
それでも。
こんな風に、イデアメリトスでさえ分からないことを、彼女は分かるのだ。
素晴らしい魔法ではないか。
命が。
ケイコの中で、新しい命が息づいている。
胸には喜びと同時に、側においておけない不安と寂寥でいっぱいになった。
「叔母上様…ケイコをよろしくお願いします」
彼女から腕を離し、アディマは叔母を振り返る。
「だから、甘やかすなと…ちゃんと産まれるべき定めを持っているなら産まれるわ」
甥に厳しい彼女は、そんなことを言いはするが──きっと、景子を守ってくれるに違いない。
分かってはいるのだ。
分かってはいるのだが、側についていられない、己の身がもどかしかった。
「時間を作って訪ねていくよ…」
ケイコの方を振り返り、膝立ちになってその手に触れる。
「来なくていい」
後方から、即座に厳しい声が飛ぶ。
「第一妃候補ですから、叔母上様は…ご機嫌伺いに参りますよ」
ケイコの手を取り、ケイコの目を見つめながら、あらぬことを言い放つ。
だが、愛する女性を前に、妃候補などという言葉を使ってしまった事に、アディマは気づいた。
不快になっただろうか。
ケイコを見つめると。
彼女は、おかしそうに目を伏せながら笑ってくれた。