愛、故に


「わたしの名前はさやかじゃないっ!
彩夏!!

さ・い・かだっつ―の!」



女は鼻息荒く、持っていた紙コップをテーブルに置いた。


立食パーティー形式の会場が
一瞬静かになる。



女は周りを見渡すと

赤くしていた顔を真っ青にして
「すみません」


と呟いた。


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