たとえばあなたが



その日の昼、千晶は萌と一緒にいつものカフェにランチに出た。



「今週のクリスマス、千晶はやっぱり彼と過ごすの?」

いつもの指定席で、萌が声をひそめて聞いた。



小山とのことは、12月に入ってすぐに、千晶のほうから萌に報告した。

『絶対そうなると思った』

と好意的な反応をしてくれて、千晶はそれを喜ぶと同時に安心した。



「クリスマスの日は仕事だから、23日に小山さんがレストランを予約してくれたみたいなの」

「いいなぁ、ときめく~」

今日も萌は、まるで自分のことのようにはしゃいでいる。

「でも千晶、最近ちょっと疲れてるんじゃない?大丈夫?」

「え?」

「幸せ疲れ?」

プププッと萌が楽しそうに笑った。



「そんなに疲れた顔してる?」

「してる。悩みがあるなら、いつでも聞くよ」

頼もしい言葉をかけてくれる萌に、大丈夫よ、と千晶が笑っていると、

「お待たせ~」

と、いつも仲良くしてくれる女性店員がランチプレートをふたつ持って来た。




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