たとえばあなたが



「なぁに?楽しそうね。さては萌さん、彼氏でもできたの?」

興味津々の店員の言葉に、萌が、

「私じゃないもーん」

と口を尖らせた。



「えっ!てことは…」

店員の目が、ゆっくりと千晶のほうを向いた。



「ちょっと萌ちゃん、ナイショだって言ったでしょ!」

慌てる千晶を前に、萌は口を尖らせたままだ。

「いいじゃない、みっちゃんなら知らない仲でもないんだし。ねぇ~?」

「ねぇ~。水臭いわよ、千晶さん」

「……」

(女子パワーって…)

こうなったらもう、お手上げだ。



楽しそうに冷やかすふたりに、千晶は、

「…とにかく、ほかの社員さんの耳には入らないようにしてよね。これは絶対だからね!」

と言うのが精一杯だった。




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