たとえばあなたが



許さない。

絶対に許さない。

学歴がなくたって仕事はできる。

現に有名大学を卒業したヤツらより、俺のほうが優秀ではないか。

部長だって、そんな俺の能力を高く評価してくれたではないか…!

あれは全部、嘘だったのか…?

頼りにしていると言っていろんな仕事を任せてくれたのも、こんなときの捨て駒にするため?

素直に言うことを聞かせるため?



こんな屈辱を味わったのは、初めてだ。



…―



松田はいつの間にかキッチンにいた。

勝手に動く体に任せ、流し台の下の棚を端から開けて包丁を探した。

端から3つめの棚の扉側に、いくつか包丁が差し込んであった。



松田は一番奥の包丁を選んで、握り締めた。




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