成人しちゃっていいんですか
「マヤ!!」

 フワッ



「い゛ッ」



フワッ──と。

彼から香る香水に酔うようにあたしは彼に抱き締められていた。

彼からすればそのままの意味で《抱き締める》気はなかったと思う。
だけど、だけれど彼は目は笑ってないもののしょうがないなといった感じであたしを引き寄せたまま吊り革に細い腕を通して。


手首を下げるのと頭を下げるのを一緒にしておでこにやさしく触れた。
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