この出会いが奇跡なら-上-






「ここ座っとけ」


そう言われ、成斗の背中からそっとイスの上に降ろされる。



それからの数分後、成斗が消毒液と絆創膏を持ってあたしのところへ戻ってきた。




「足、見せてみろ」

「え、うん」

「しみるぞ」



すると、いきなり傷口に消毒液をちょんと当てられる。




 「ん」


「悪ぃ、痛かったか?」

「うん、ちょっと」





「…お前、どんなこけ方したんだよ」


「べ、べつにそれは今関係ないじゃん」



「ま、別にいいけど。ほかは?」




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