この出会いが奇跡なら-上-




絶対に嫌。


二人きりになんてさせたくない。




「協力、してくれる?」


「………」



でも、あたしは「うん」としか言いようがない。

他に言える言葉なんて思いつかない。



あたしが小さく頷くと、真衣は笑顔で「ありがとう」とあたしに返した。



今のあたしに、ありがとうなんて言われる筋合いはない。




「揃った班から出発していけよー」




そんな教師の言葉に、「揃ってるから行こー」と愛子がみんなに声を掛ける。


それにみんなも賛成して、嫌な自由行動が呆気なくスタートした。




あたしの班のメンバーは、成斗に愛子に真衣、そしてあたし。それから委員長の松田君と、何故かモテると言われている森君。




「ほら、桜行くよ」


「あ、うん」



愛子の言葉に従って、あたしは渋々みんなの後ろへ付いて行った。



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