この出会いが奇跡なら-上-



「えっと、まずはここ!」


地図を見ながらそういう愛子がてきぱきとあたし達に指示をする。


……さすが愛子。


「ねえ愛子、それって遠くない?」


「でも行きたいじゃん、教会」



そう、あたしたちが一番初めに行くのは、恋のおまじないがあるという教会。

ハートの形した池に映った異性の顔が、将来の恋人だとか。


それから、ハートの石の前でキスをすると、ずっと一緒にいられるというカップル限定のおまじないもあったりする。


そんな恋という言葉に愛子は黙っていられる訳もなく、真衣も行きたいとのことで、今から向かう協会へ行くことに決定した。

成斗を覗いた男子二人もいいよ、と賛成していたし。







それからの数分後、予想外の聞きなれた声に、ふと声を掛けられた。


「なあ」

「え?」


そのままそっと後ろを振り向くと、そこには、あたしを見つめる成斗の姿があった。







「今何時?」



………え。



「あ。えっと、9時過ぎだけど」

「ふーん、さんきゅ」




…そ、それだけ!?






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