この出会いが奇跡なら-上-
どこからか飛んできた石が、森君の頭に直撃した。
「…悪ぃ、手すべった」
低い声でそう言う人物にすぐさま目を向けると、
「――成斗」
予想外な人物が、あたしの目の前に立っていた。
「おい森。桜から離れろ」
「お前に言われたくねぇよ、俺と同じことしてるくせに」
森がそう言うと、成斗はすごい怖い目で森君をギロリと睨んだ。
「…………」
いきなり現れた成斗に、胸がドクンと高鳴る。
「成宮、どうせあいつに振り回されてるだけだろ、俺んとこ来いよ」
耳元で囁くように言われ、あたしはそれすらも怖くて目をギュッとつぶった。
「だから離れろって言ってんだろ」
眉間に皺を寄せた成斗がそう言うと、不意に森君からあたしをグイッと引き離してくれた。