この出会いが奇跡なら-上-
成斗が思いっきりあたしを森君から引き離してくれたおかげで、逃げる事が出来るくらいの余裕が出来た。
あたしはそれを上手いように利用して、すぐさま成斗のところへ駆け付けた。
「お前、嫌われたみたいだな」
「お前さえ来なかったら上手くいってたのに」
いや、成斗が来なくても、上手くいかなかったと思う。
「桜、行こうぜ」
「え、あ…うん」
成斗は低い声でそう言うと、グイッとあたしの手引っ張って、この場をさっさと去って行ってしまった。
「…………」
……どうして?
どうして助けてくれたの?