この出会いが奇跡なら-上-
そこから少し遠のいた先で、成斗の足がぴたりと止まる。
「気ィつけろ」
「…ごめん」
あたしが小さな声でそう誤ると、成斗は不機嫌に小さな舌打ちをひとつ漏らした。
「―――あいつ、まじムカつく」
「え?」
「いや、別に」
「あ、…そう」
「さっさと戻ろうぜ」
「あー、うん。そうだね」
やっぱり、ちゃんと面と向かって話せない。
――でも。
「ねえ」
「ん?」
助けてくれたのに変わりはないから。
「…ありがとう、助けてくれて」
「別に。お前が嫌がってたの丸分かりだったし」
成斗はそれだけ言うと、さっさと足を進めてみんなの元へと先に戻って行ってしまった。