この出会いが奇跡なら-上-
その後、真衣が長い風呂を終えて、気持ち良さそうにお風呂からあがって来た。
そんな真衣に、あたしと愛子は声を揃えて「遅い!」ってそう言ってやった。
あたし達がそう言うと、真衣は小さく笑って、「ごめんごめん」とそれだけ返してくれた。
「………」
ああ、あたしたちと真衣。ほんの少しではあるけど、ちょっとずつでも距離が縮まって来てるのかな。
単純にそう思うと何だか嬉しくなった。
「んじゃー次私ー」
「え!待ってよ。次あたしの番!」
「桜、昨日一番に風呂入ったからいいじゃん。順番順番」
「ええ」
愛子に呆気なくそう言われ、あたしは仕方なく愛子にお風呂を譲ってあげた。
その日の夜、入りたくてしょうがなかったお風呂にも入り、おいしい夜ごはんも食べ、段々うとうとと眠気に誘われていくあたし。
「んー、眠い」
「え、もう?まだ9時過ぎだよ?」
「だって、今日疲れたし」
「まあ、自由行動だったもんね」
「うん」
ああ、やばい。睡魔が襲ってくる。
そんな眠気と必死に闘っていると、何故かいきなりバンっと勢い良く玄関の扉が開いた。
「よーす!起きてるー?」
「…俺まで連れてくんなよ」
「……え、ちょっ」
あたし達が玄関方へ顔をのぞかせると、そこには、「来ちゃった」と呟いて可愛く笑う光輝に、「はあ」とため息吐いてる成斗。それから、「愛子」と親友の名を呼ぶ皐月に、「女子の部屋万歳!」と何故かテンション高めの悠紀。
ど、どうしてこいつ等が?
そんな事を思いながら眉間にギュッと皺を寄せると、いきなり笑顔の光輝が、「何かしてあそぼ!」とそう言って、勝手にズカズカとあたし達の部屋に入り込んできた。
「………」
ああ、あたしの睡眠時間が。