この出会いが奇跡なら-上-
「ねえ、帰ってよ」
眠い目をこすりながら、今やって来た4人に少しきつくそう言ってやった。
すると光輝に、「桜、眠たいの?」と言われ、あたしは正直に「うん…」とそれだけ答えた。
「ふーん。じゃあ俺の胸で寝る?」
「はあ?寝ないし」
「お前、眠たいと性格変わるの?」
「んなわけない」
そんなあたしを見た横から愛子が、この子眠いといつもこうなのよ。と小さな声で光輝にそう言った。
「だから違うってば!」
「眠いなら先寝ればいいのに」
「……」
だって、成斗が来てるんだもの。
今寝たらもったいない気がして、そう簡単には眠れない。
「んー、まあ、寝ちゃったら起こして」
「分かった。俺の甘ーい声で起こしてやるよ」
「…もういい。冗談やめてよ」
あたしがそう言うと、何故か光輝は悠紀に飛びついて嘘泣きをし始めた。
あたしはそんな光輝を遠い目で見つつ、可愛いからこそ、あんな事出来るんだなと心の中で秘かにそう思った。
「で、何するの?」と愛子が問いかけると、その横で「王様ゲームは?」と悠紀が提案する。
……王様ゲームとかまじやめて。
そんなもん彼氏と彼女のたまり場や合コンとかでやれば良いじゃん。
そんなあたしとは裏腹に、愛子と真衣と悠紀は断然乗り気。
光輝と成斗は意外にも乗り気じゃないみたい。
皐月は、何故かほんの少しだけ不貞腐れてるように見える。
「愛子、お前俺がいるのにそんな事するつもりか」
不意に皐月がそう問いかけると、愛子は顔をブンブンと横に振ってまるで慌てたように「え!う、嘘に決まってるじゃん!やらないやらない」って瞬時にそう答えた。
そんな愛子を見て、あたしはやる気だったんだなとそう思った。