この出会いが奇跡なら-上-
それからの1時間。やっとのこと学校へ到着した。
やっと帰ってきたという思いと帰って来ちゃったという思いが矛盾してぶつかる。
校長先生と担任の話を聞いて、ようやく解散した。
「………」
帰るなと言われても、成斗がどこにいるか分かんないし。
あたりをキョロキョロと見渡していると、不意に後ろから声を掛けられた。
「桜」
「あ、成斗…」
「ちょっとこっち来い」
「う、ん…」
いきなり手を引っ張られて、あたしは成斗の後ろを付いて行った。
その後、成斗は何故か校舎の中まで入り、あたし達のクラス前の前で足をピタリと止まった。
一体、何なの…?
そう思いながらも、先に教室へ入る成斗の後をゆっくりと付いて行く。
「座れよ」
「え?…うん」
何か凄く怖い。
「あの、あたしに何か用?」
そう思いながらも、恐る恐る成斗にそう聞いた。
「用がなくちゃ呼んじゃいけねーのかよ」
あたしがそう言うと、不意に低く小さな声があたしに返って来た。
「そ、そーゆう意味じゃないけど…」
なんでそんなに冷たいの。
「………」
「………」
「…お前」
「え?」
少しばかりの沈黙が続くと、成斗はそっと口を開いた。