この出会いが奇跡なら-上-
「馬鹿!どいて!」
「俺の事心配してきてくれたんだろ?」
「そうよ!だからどいて!」
何よ。
全然元気じゃない。
心配したあたしが馬鹿だった。
「…やだ。どかねえよ」
そう言った真剣な眼差しで、じっと見つめられる。
……その目、やめてよ。
こっちは本気なのに。
そっちは面白がって遊びでやってるだけのくせに。
……その目、嫌。
あたし以外の子にもそうやって見つめて、何人もの女の子を落として来たんでしょう?
……それ、すごく嫌。
こんな事されても、全然嬉しい訳ない。