RinNe
[もしかしたら


営業中にテーブルの上に置いておいた携帯を


頭のおかしいお客さんが見て


それで電話をしてきたのかもしれないから


何にも気にしなくていいよ!


心配させたら


本当にごめん]


と、僕は嘘をついた…


[分かったよ、今の言葉で安心した]


[来週は必ず、雪子に逢いにいくからね!]


僕はほっと胸を撫で下ろしたが、


家に入り、機嫌が良さそうに


何喰わぬ顔で、


料理を作っている、


由香の背中に


旋律を憶えた。


絶対、携帯を見られているに違いない


確信を得た瞬間だった


それから確信はとれたものの


由香の美味しいシチュー


に口を閉ざされ


壮絶な1日が終わった…

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