さぁ、跪いて快楽を乞え!
放課後、部活に出るでもなく図書室に入り浸る。勿論、菖蒲やハルとアキも一緒に。

ハルとアキは机の上に本を置いて、二人で一緒に「眠り姫」を。菖蒲は「源氏物語」を踏み台に座って。そして、薫はどこぞの洋書を窓枠近くの、低い本棚に座って読んでいる。
放課後の優しい風がカーテンをなびかせ、夕焼けに照らされた薫の顔が端整で美しい……。

「もう読んだ?」

と、ハルがアキに確認を取り、

「まあだ」

と、アキがハルに返答する。

「読んだら教えてね」

「読んだぁ」

「はーい!」

その小さな手でページを捲り、双子はまた、物語を読み始める。
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